第370回定例会での活動状況

2019年12月11日に2期目最初の議会で、以下の内容で予算総括質疑に臨みました。

1.財政運営について
2.台風19号対策について

【議事録】

/////以下質疑/////
◆庄田圭佑委員 皆様おはようございます。自由民主党・県民会議の庄田圭佑でございます。
 三年ぶり、三回目の予算総括質疑でございます。
 この三年の間、毎議会一般質問させていただいたわけでございますが、久々に総括質疑をさせていただくということで、かなり緊張しておりますので、どうかお手やわらかにお願いをしたいと思っているところでございます。また、厳しくさせていただきますので、ぜひ答弁も前向きにいただければと思っているところでございます。
 十月の選挙におきましては、何とか私も二期目を再選させていただきまして、厳しい戦いを乗り越えさせていただきました。引き続き東日本大震災の復興、そして、この県勢の発展に向けて、引き続き精進してまいることをお約束をさせていただきまして、総括質疑に移りたいと思います。
 まず冒頭で、台風十九号でお亡くなりになられました皆様、そして被災されました皆様に対して、衷心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。本当に今回は東日本大震災以来、大きな被害を受けた自然災害であったということでございます。今回の補正予算でも多くの災害復旧費が補正計上されているということでございます。
 これまで一般質問の中でも、台風関連の質問が大変多くございました。
 私は今回は大きく二点、財政運営のお話とそして台風対策ということでお話をさせていただきますけれども、主には財政運営の話をさせていただきながら、そして一般質問とはまた違った観点で、質疑させていただきたいと思っているところでございます。
 それでは一つ目の財政運営についてということで、質疑させていただきたいと思っております。
 今回の補正予算、総額で約千二百四十億円程度ということで、先ほど述べたとおり東日本大震災の補正予算を除けば、過去最大の補正予算規模ということでございます。これだけ大きく補正予算を組まれておるわけでございますけれども、この財源確保とその対策についてのお考えをお伺いしたいと思います。

◎村井嘉浩知事 今議会に補正予算第三号及び第四号を提案いたしました。当初提案いたしました第三号補正は、歳出予算三百九十五億円に対しまして、繰越金及び国庫支出金が財源の大半を占めておりますので、財源確保に問題はございませんでした。一方、台風第十九号対策として編成をいたしました第四号補正は、八百四十二億円と災害対応の補正予算としては東日本大震災に次ぐ規模でありまして、通常の災害復旧制度では十分な財源の確保が困難でございますので、国に対して財政支援の拡充を要望してきたわけであります。その結果、国庫補助のかさ上げや拡充、災害復旧事業債の充当範囲の拡大、特別交付税措置などが示されましたことから、これらを最大限活用した財源構成とした上で、最終的に生じました四十五億円の財源不足につきましては、財政調整基金を取り崩して対応したところであります。今後も追加の台風第十九号対策予算が必要となる可能性が高い中、国補正予算におきましても、台風関連経費を計上するとの報道がなされているところでございまして、引き続き、国に対して特別交付税措置の増額などの更なる財政支援を求めてまいりたいと考えてございます。何とか四十五億円なんですが、それでもかなり財政を圧迫する要因になるだろうと考えてございまして、来年度の当初予算をどのように編成するかということで今、頭を悩めているところであります。

◆庄田圭佑委員 後ほど財政調整基金の話は質疑させていただこうと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。今回いろんな財源を見ていくと、三号補正の中に財産収入で十二億円ぐらいありまして、そのおかげで県債が十億円近く剥がせているという状況でございます。本来であれば補正はそういった形で県債を剥がしていくというのが、非常に理想的な形であろうと思っているところでございます。しかしながら今回この台風被害ということで、四十五億円の財調を取り崩すということになったと、極めて厳しい財政状況にあるということは、どの委員も執行部の皆様もそれは同じ見解なのかなと思っているところでございます。そうした中でこの財産収入、約十二億六百万円ぐらいであったかと認識しておりますが、これの内訳について教えていただきたいと思います。

◎門脇雅之土木部長 財産収入のお尋ねでございます。これは仙台塩釜港石巻港区で分譲中の工業用地のうち、雲雀野地区の二区画を一般競争入札により売却したものでございます。ことし九月十日から募集を開始いたしまして、十月十日に入札を行い、十月十七日に仮契約を締結しております。落札金額は物件一が七億一千三百万円、物件二が四億九千百万円で、合計十二億四百万円となってございます。二区画とも合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーが落札いたしまして、バイオマス発電所とその附帯施設を建設する計画でございます。

◆庄田圭佑委員 かなり財政が逼迫している中において、財産収入というのは貴重な財源になるんだろうと思っているところでございます。そうした中で、今、二区画が一般競争入札で落札をされたということでございましたけれども、そのほかの残っている区画、あるいはそのほかの県の中で今年度中に財産収入として計上されるような見込みのあるものがあれば、お示しをいただきたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 今後の財産収入の見通しということでございます。県有地等の売却による財産収入については、新・みやぎ財政運営戦略においても、三カ年で三億円という目標を定めて行っているところでございます。現在のところ、平成三十年度及び今年度の二カ年で既に四・二億円の県有地売却による歳入を見込んでいるところでございますが、今後につきましては、今年度の入札で一億円弱程度の追加の歳入を見込んでおるところでございまして、引き続き県有地の処分による財産収入の確保に努めてまいりたいと考えております。

◆庄田圭佑委員 財産収入というのはぜひ確保していただいて、何とか財源を確保してもらうということが非常に重要だと思っております。引き続きこれは注力していただければと思っているところでございます。
 少し話がずれましたけれども、今回の補正予算のほうに目を戻させていただきまして、補正の内訳を見ていきますと、東日本大震災復興交付金基金に、約二百億円の積み立てということになっておるわけでございます。同基金の残高は、平成二十七年度末時点では約七百二十億円程度あったわけでございますが、平成三十年度末には約三百十億円ということで、毎年確実にこの基金の残高というのが減ってきているという状況でございます。しかしながらその一方で、復興交付金のうち、効果促進事業の実施状況について見ていきますと、昨年度末においては一括配分額、約五十六億円あったわけでございますけれども、それに対して協議済額というものが約三十八億円ということで、執行状況は六七%程度ということでございました。この効果促進事業の一括配分の有効活用については、これまでも多くの議員から一般質問あるいはこの予算総括質疑の中でも出ているわけでございますけれども、早期に復興庁と協議をしていただいて、速やかに予算執行していくべきだと思っているところでございます。現状と今後どういった方針で進めていくのかということをお伺いしたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 お尋ねの前に、先ほどの質問の答弁に言い間違いがありましたので修正させていただきます。昨年度と今年度の五億円ということを三億円の目標に対して五億円と申し上げましたが、今足元では大体四・二億円でございまして、この残りを入れて〇・八億円ぐらいをことしの今後の入札で確保したいということで、合わせて五億円程度に届くようにということでございました。修正をさせていただきます。
 それから、今ほどの復興交付金の効果促進事業についてでございますけども、御指摘のとおり、かねてから活用の促進について、おただしがかなりあったところでございます。以前、平成三十年度のスタート時点で効果促進事業の活用が、協議済みが二十億円程度ということで、三六%程度という御指摘がございまして、これは平成三十年度末までには御指摘の三十八億円、六七%まで進行させたところでございます。ことしの九月時点で、この三十八億円だった使途協議済額は四十三億円まで伸びているところでございまして、一括配分額約五十六億円の配分に対しましては、四十三億円の使途協議で、残り十三億円というところまできております。この十三億円の執行につきましては、残りの復興創生期間が一年と少しということでございますので、可能な限り今年度内にも協議を完了できるように、全力を挙げて復興庁との協議を進めてまいりたいと考えております。

◆庄田圭佑委員 年度内に全ての協議を完了させたいということで、お話しいただいたわけでございます。会計検査院のほうからも平成二十七年と平成二十九年にこの効果促進事業の一括配分については、早期に使途が決まっていなければ引き揚げたほうがいいというような通達も出ているわけでございますので、今年度中にぜひこの一〇〇%の執行を目指していただきたいと、これは強く要望させていただきたいと思います。あわせて県だけで一〇〇%協議が済んだとしても、各市町村のほうにもしっかりと目を向けていく必要があるだろうと思っております。市町村の効果促進事業の現状は、どのようになっているのか教えていただきたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 市町村分の復興交付金効果促進事業の一括配分でございます。県内市町村分の配分額といたしましては、約一千六百九十五億円でございまして、現在の使途協議済額はそのうち約一千三百三十億円で、率にして約七九%というところまで来ております。引き続き市町村においてもコミュニティー形成などの事業について、この充当ができますよう、復興庁との協議を進めているということでございまして、残された期間内に必要な事業に最大限活用できるよう、県としても支援してまいります。
 県も市町村も残りの期間をにらみながら、ということになりますが、なかなか使途協議も関連事業ということで、主に任せない部分が出てきているということでございます。御指摘がありましたように今年度は精力的に協議をして、積み上がらなかった部分については、最後の使途変更を含めて、可能な限り活用できるように取り組んでまいりたいと思っております。

◆庄田圭佑委員 市町村も合わせて県と一緒にその協議をできるだけ完了させていくという、力強い答弁をいただいたのかなと思っております。各市町村だけの力ではなかなか一〇〇%まで行くのは難しいだろうなというふうに思っております。もっと県にしっかりとサポートしていただきながら、復興完遂、そして効果促進事業一〇〇%の協議済みに向けて、御尽力いただければと思っているところでございます。
 次の質疑に移っていきたいと思いますけれども、今回補正予算の中では平成三十年度の決算剰余金のうちの約半分の九十五億円が財政調整基金に積み立てをされるということになっているわけでございます。その一方で、今回の補正予算でその積み立ての九十五億円とほぼ同じ金額が、取り崩しされるという予定になっているということでございます。今年度の当初予算と比較して、この財政調整基金の取り崩し額がどの程度ふえたのか、またそれに伴って今年度末の財政調整基金と財政調整関係基金の残高見込みについて、お示しいただきたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 財政調整基金あるいは財政調整関係基金の残高についてでございます。昨年度末時点で財政調整基金の残高は、二百三十二億円というところだったわけでございます。今年度当初予算ではこのうち百二十億円を取り崩したわけでございますが、その後財政調整基金を活用いたしました二号補正から今回の四号補正まで合わせて百十五億円、財政調整基金を取り崩したということでございまして、今年度の取り崩しの累計額は合わせて二百三十五億円というところまで活用したところでございます。一方で、三号補正においては決算剰余金の二分の一であります、九十五億円積み立てでございますので、当初予算を除けば、九十五億円を積み立てて、百十五億円を取り崩したということになりますので、都合二十億円の取り崩しということになりまして、今年度当初分と合わせて、百四十億円取り崩したことになりますので、今年度末の現時点での財政調整基金の残高見込みは二百三十二億円から百四十億円を活用いたしまして、九十二億円ということでございます。これに県債管理基金の一般分と言われる百九十七億円を足した財政調整関係基金の残高見込みは、二百八十九億円ということでございます。

◆庄田圭佑委員 今回の台風被害によって、かなり取り崩している部分があるということでございまして、かなり厳しい状況だというのは繰り返しになりますけれども、誰もが同じ見解だと私は思っているところでございます。そうした中で知事もよく基金があるんだから取り崩せというような質問が出るたびに、何があるかわからないので、しっかりととっておきたいという御答弁をしているわけでございまして、では実際、財政調整基金ないしは財政調整関係基金の適正な規模というのは、県としてどの程度あったらいいと考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 財調関係基金の適正規模ということでございますが、適正規模は特に定めるものがありませんが、我々とすれば標準財政規模の約一〇%程度は、変動を見通して確保しておきたいということでございます。我が県の標準財政規模は、平成三十年度で約四千七百億円ということでございますので、その一割ということで、四百七十億円程度ということを目標にしたいということでございます。今ほど申し上げましたように財調基金は今九十二億円、そして県債管理基金一般分を足しても二百八十九億円ということでございますので、この四百七十億円というところに対しまして、まだまだギャップがあるということとともに、当初予算で百億円以上の活用を常に見通しておりますので、財調基金九十二億円というのは、かなり厳しい状況にあると認識をしております。

◆庄田圭佑委員 まさに今部長のおっしゃったとおりなんだろうと思います。非常に厳しい状況ということで、平成三十年度末に出ました中期的な財政見通しの資料の中でも、今年度末の財政調整関係基金の残高というのは、三百九億円を見込んでいたということに対して、先ほどのお話では二百八十九億円になるということでございました。最初は知事の答弁の中でも、これから更に国に要望して、手厚い支援をお願いしていきたいというお話がありましたけれども、これがなければ、更にこの財調を取り崩さなきゃいけないような状況になっているというのが、実態なんだろうと思っております。そうした中において、しっかりとした財源確保あるいは支出の抑制、歳出抑制というものをしていかなきゃいけないんだろうなと思っているところでございます。その一方で、いかにもこの財政調整基金九十五億円を積んだから、お金があるように見えてしまう部分もあるわけでございますけれども、しかしながらルール上、決算剰余金の二分の一以上は積まなきゃいけない、ないしは減債基金のほうで繰上償還しなきゃいけませんというルールになっているわけでございますが、本県の財政調整基金の中に繰り入れているお金というものは、基本的にその翌年度以降に精算すべき東日本大震災関係の過交付分が含まれているということでございまして、実際の剰余金以上に剰余金が積まれているというのが、ルール上やむを得ない部分もあるということでございます。そうなると実際の財政調整基金と言われている部分プラスアルファが積まれているということで、これは多少財政をよくわかっていらっしゃらない方に対しては、誤解を招くような形になっているんだろうと私は考えているわけでございます。ルール上、仕方のないことであるんですけれども、実質的な財政状況をわかりやすく、皆様にお伝えしていくということも必要だろうと私は思っております。これまでも答弁の中で、できるだけ県民の皆様にわかりやすいように、財政状況の発信に努めてまいりたいというお話をいただいているわけでございますけれども、改めて実質的な財政状況をわかりやすく県民の皆様にお伝えしていくということについて、御所見をお伺いしたいと思います。

◎村井嘉浩知事 第三号補正では、地方財政法の規定によりまして、平成三十年度の決算剰余金百九十一億円の二分の一に当たる九十五億円を、財政調整基金に積み立てる予算を計上しているわけであります。この積立金の中には、震災復興特別交付税の過交付分など、将来的な返還に備えて所定の基金に積み戻す必要のあるものが多額に含まれておりますため、積み立ててすぐに財政調整基金を五十億円取り崩すということにしております。このように、補正後の財政調整基金残高は、県の財政力を正しく表わしているものの、その前段階の積み立て、取り崩しの額が大きくならざるを得ず、財政状況がわかりづらくなっている面も、確かにあると認識をしております。これまでも普通会計決算を、通常分と震災分に区分して分析するなど、震災の影響で複雑になっております財政構造を、少しでもわかりやすく公表できるよう努めてまいりましたが、今後ともより一層工夫を重ねる必要があるだろうと考えております。

◆庄田圭佑委員 今後もより一層工夫を重ねていく必要があろうと認識しておりますということでございましたけれども、もう少し、具体的に今検討されているものがあれば、お示しをいただきたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 委員の御指摘のとおり、わかりやすく努めるということで、知事が今ほど答弁しましたように、補正で積み立てて取り崩した実質補正後っていうのは、実力をあらわしているわけなんですけれども、そのことも確かに取り崩し、積み上げが大きくなっていることで、非常にわかりにくくて私も説明するのに苦労しますし、伝え切れてないというか難しくなっていることは事実でございます。県政だよりにおける県政情報の県財政の説明あるいは財政関係の資料においても、震災分、通常分を分けるなどしているんですけれども、それでも全体の規模からすると、なかなか本来の県財政状況として伝えにくいものですから、これは本当に震災分と通常分を区別してお伝えすること、いろんな資料において工夫をして、将来の自力の県財政の見通しも伝わるように、各種広報資料等々工夫をして、取り組んでまいりたいと思っております。大変難しいんですが、努力してまいりたいと思います。

◆庄田圭佑委員 非常に難しいというのは私も承知はしております。その中でいろいろと執行部の皆様が知恵を絞られて、それで通常分と震災分ということで分けて表記したりとか、できるだけわかりやすいような取り組みをされていることに対しても、非常に評価している部分もあるわけでございますが、一般の県民の方に対しては、予算のあり方、組み立て方、それがどういうフローになっているのかというのは非常にわかりにくい部分があると思っております。そうした中においても、県政だよりの中でいろいろと予算とか決算の概況ということで、出ているわけでございますけれども、円グラフで出たりとかしても、なかなかわかりにくい部分があるんだろうと思っております。ぜひもう少しよりわかりやすく、震災の復興が終わったから、わかりやすくなったから、今までのから通常分だけに戻すとかいうことじゃなくて、これから通常の業務に戻ったとしても、もっと県民の皆様にわかりやすいような財政状況の伝え方というものは、取り組んでいっていただきたい、これは要望にさせていただきたいと思っておるところでございます。
 また財政調整関係基金の話に戻らせていただくわけでございますけれども、今回当初予算に比べて、更に多く取り崩しているということで、先ほど御答弁いただいたわけでございます。当初に比べて取り崩した結果、これまでの中期的な財政見通しに対する影響について、どのように考えていらっしゃるのか、また今後の財政運営については、一層の歳出圧力が強まっていくんじゃないかなと考えておりますけれども、このあたりの財源確保についてお伺いしたいと思います。

◎村井嘉浩知事 答弁の前に、さきの実質的な財政状況をわかりやすくする工夫が必要だという質問に対する私の答弁で、補正後の財政調整基金残高は、県の財政力を大きくあらわしていると表現しましたが、正確には正しくあらわしているということでありまして訂正をさせていただきます。
 その上で、今の御質問に対する答弁をいたします。今回の台風第十九号災害により、財政調整基金の取り崩しがふえたことは、財政調整関係基金の繰り入れにより、辛うじて収支均衡を図っている中期的な財政見通しに与える影響は、極めて大きいと考えております。我が県の今後の財政運営は、復興需要の収束に伴い、地方税収入が減少傾向にある一方で、社会保障関係経費や公共施設などの老朽化対策の経費の増加が見込まれ、更に地方創生や人口減少対策などの課題にもしっかり取り組む必要がありますので、一層、厳しい財政運営が見込まれるということであります。このことからまずは、新・みやぎ財政運営戦略に掲げます歳入歳出両面にわたる取り組みを着実に実施するとともに、更なる財源確保に向けて、全庁を挙げた事務事業の見直しを行うなど、歳出抑制と歳入確保に向けて努力していく必要があるだろうと考えております。

◆庄田圭佑委員 引き続き、新・みやぎ財政運営戦略に基づいて、歳出の削減と歳入の確保というのに努めていただきたいと思っているわけでございます。しかしながらシーリングのみならず歳出削減の中においては、業務効率を改善していく、事務コストを削減していくということも非常に重要だろうと私は思っているところでございます。業務効率改善の現状の取り組みについて、お伺いしたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 業務効率のおただしでございます。財政健全化に向けた歳入歳出両面で取り組みをして進めていくということでございますが、その一環といたしましては、これまでは予算要求時点には長年にわたりまして、マイナスシーリングということをしながら、絞り出してきたということもございますが、これについては、一部には副作用もあるという御指摘もあったところでございます。そのため現時点におきましては、震災復興計画の期間後の新たな宮城の実現といったことも念頭に置きながら、新しい行政課題に効果的・効率的に対応できる体制づくりのために、より効果の高い事業を効率的に実施できるような、業務効率の改善を含めた取り組みをしなければいけないということで、事務事業の見直しにも着手をし始めたところでございます。具体的にはそういった観点から、行政事務の効率化を図るための新システムの導入でありますとか、既存システムの改修、あるいは事業の統合や外部委託の推進など、中長期的な御指摘の業務コストの削減につながるような取り組みについて、思い切ってシステム的な予算をつけるといったことも含めて、取り組んでいるところでございます。あるいは働き方改革ということもございますので、単純な業務については自動化ができるようなRPAの取り組み、それからAIによる議事録作成支援といったいろいろ御提案ある分についても取り組みを進めながら、業務コストの低減ということにいろいろ工夫をして、また御指導いただきながら進めていきたいと思っております。

◆庄田圭佑委員 ぜひ進めていただきたいと思っているわけでございますが、効率を改善した結果、どの程度そのコストを削減できたのかというのも見える化、可視化しておかないとだめなのかなと思っております。どの程度、業務効率改善によってコストを削減していきたいのか、そういった数値目標を多分お持ちでないのかなと思いますけれども、もし何かそういったお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 その点は大変課題だなと感じているところでございます。働き方改革の取り組みも進めてきたわけでございますが、具体的に今おただしにあったような改善を数値化して見える化をしていくというところには、正直申し上げまして、なかなかまだ到達していないところでございます。今取り組んでいるところにつきまして、御指摘の点をどうやってクリアするかあるいは示していくかということにつきましては、これは今後も一生懸命努力をしまして、このコスト削減の効果を見せられるように、なかなか難しいんですが、やり方を研究して取り組んでまいりたいと思ってございます。今後の大きな課題だと認識をしております。

◆庄田圭佑委員 大きな課題ということでございました。ぜひ見える化を何とかやっていただきたい、中期的な財政見通しの中でも、取り組み効果額というのが下のほうに百億円とか出ているわけでございますので、そういった中に業務コストを業務効率改善によってこのぐらい削減できましたと、具体的に示していただけるとありがたいと思っているところでございます。これも要望とさせていただきたいと思います。
 そうした中で、先ほども社会保障費の話と、そして老朽化するインフラの更新のコストが、非常に高くなっていくということで答弁があったわけでございます。特に社会保障費の伸びというのは、しっかりと対策していかなければ、知事も毎年七十億円から八十億円ぐらい県負担の社会保障費が自然増で伸びているという答弁を、幾度となくされておるわけでございまして、こうしたところにしっかりとメスを入れていくということが、重要だと思っております。これまでも宮城県、村井知事が音頭をとりまして、スマートみやぎ健民会議などの取り組みをされているわけでございますけれども、社会保障関係費の増加の避けられない経費の対応、この状況についてお聞かせをいただきたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 社会保障関係費の増加についてのおただしでございます。まさに年々増加傾向にあります、社会保障関係経費の財源確保につきましては、介護保険や後期高齢者の医療費の給付費、生活保護費なども含めまして、全国共通の課題でございます。したがいまして、国に対して地方の財政需要を十分に踏まえた地方財政計画を策定いただき、確実に社会保障施策の財源を確保されるよう、毎年要望しているところでございます。引き続き県といたしましても、行財政改革の取り組み等によりまして、収支均衡を図る歳入歳出両面の努力を続けていく一方で、国に対しましては、これはまさに制度による支出ということでございますので、きちんと持続的かつ安定的に制度運営、財政運営が図られるよう強く要望してまいりたいと考えております。

◆庄田圭佑委員 国に申し合わせの要望していただくということも大切でありますし、何よりもこの宮城県は、メタボリックシンドロームの該当者と予備軍の割合が、沖縄と福島に次いで全国三番目に多いという状況でございます。将来的にメタボリックシンドロームの該当者、予備軍の皆様が、介護のお世話になるという可能性というのは、非常に高いというようなお話もあるわけでございます。今、県民一人当たりの医療費が、全国平均並みあるいはちょっとそれを下回っている水準ぐらいだと記憶しておりますけれども、そうした状況だから、健康対策というのは全然手を入れなくてもいいという状況ではないと思っておりまして、社会保障費の伸びをしっかりと押さえていくんだということが私は重要だと考えているということでございますので、引き続き、取り組みを強化していただきたいということを強く要望させていただきたいと思います。
 その一方で、先ほど歳入の確保に努めてまいりたいということで答弁があったわけでございます。今回の三号補正の中においても、財産収入のお話をさせていただきましたけれども、その中に基金からの利子収入というものが計上されているということでございます。本県の基金残高は平成三十年度末で約三千六百億円程度ということでございました。この基金の昨年度の運用実績について、どのように評価しているのか、お伺いをしたいと思います。

◎吉田計会計管理者兼出納局長 基金の運用につきましては、安全性を最優先としつつ効率性にも配慮し、銀行預金や債権で行っているところでございます。昨年度は基金残高約三千六百億円のうち、運用利息は約一億四千万円で、平成二十八年からの日銀のマイナス金利政策に伴う市中金利の下落や復興資金の縮小がある中、安全性の面からは堅実な運用ができたと評価しています。しかし、平成二十六年度をピークに、運用実績が大幅に減少してきており、今後、当分の間、市中金利の大幅な上昇は期待できない情勢であることから、効率的な運用について、更なる工夫が必要であると考えております。

◆庄田圭佑委員 効率的な運用について、更なる工夫が必要だということでございました。基金の内訳を見ていきますと、ほとんど現金で運用していると。現金の割合が約九四%で債券の運用が残りの約六%ということでございまして、ほんとに現金偏重になっているということでございます。そうした中においても、基金の果実を最大限確保していかなきゃいけないんだろうということで、もう少し債券運用というものを強化していく必要があるんだろうと、私は考えているということでございます。この現状、債券の運用についてどのように考えているのか、そして今後の方針についてお聞かせいただきたいと思います。

◎吉田計会計管理者兼出納局長 基金の運用につきましては、所管課の意向も踏まえて一年以上の運用が可能なものについては、債権での運用というのを基本としております。現在は、債券については国債及び地方債による運用が主体ですけれども、利回りの低迷も非常に顕著であるために、ことし二月からは安全性の高い財投機関債での運用を始めております。また十一月には、今まで運用実績のなかった一般社債について、極めて安全と思われるもので運用を始めるなど、工夫に努めているところでございます。債券運用の必要性は増しておると考えております。先進自治体の取り組み状況を把握しながら、商品について鋭意研究してまいりたいというふうに思います。

◆庄田圭佑委員 先進事例などを調査しながらやっていきたい、ということでございました。私も他県の基金の運用実績、平成三十年度分ですけど見ていきますと、宮城県が利回りが〇・〇三八%、埼玉県、〇・三七七%、千葉県〇・三八%、熊本県で〇・二五%ということで、宮城県の運用実績というのが、他県と比較しても十分の一ぐらいの利回りになっているということでございます。債券運用を積極的にされている神奈川県においては〇・八一%いうことで、一%近い水準の運用益を確保されているということでございます。今〇・〇三%ということでございまして、これが仮に〇・三%までふえれば基金の運用益の収入というのが今の十倍ぐらいになるということで、十億円ぐらい財産収入が確保できるということでございますので、こうした債券の運用強化というのは他県の事例からも極めて重要だろうと思っているところでございます。また他県においては基金の一括運用ということで、今財政課と会計課で管理している基金がそれぞれあるわけでございますけれども、一括に束ねて運用しているという県もございます。資金を最大限効率よく運用していくという観点においては、この基金の一括運用ということも必要だろうと思っておりますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

◎吉田計会計管理者兼出納局長 現在は会計課において基金ごとに管理している状況にございます。預金で運用する場合は、運用期間と時期が同じ複数の基金をまとめて合同運用する原則としていますけれども、所管課の意向も踏まえて、債権で運用する場合や、特段の事情がある基金は、単独運用ということになっております。例えばお話のありましたように最も残高が大きい県債管理基金では、所管する財政課と運用先、期間、額を細かく協議して、会計課において運用しているという状況にございます。基金全体をまとめて一括運用することについては、運用益の増加に加えまして、事務の合理化が期待できる側面というのもございます。関係部局と連携しながら、メリット、デメリットを具体的に検討してまいりたいと思います。

◆庄田圭佑委員 ぜひ一括運用してできるだけ効率的な運用に努めていただいて、果実を最大限得る努力をしていただきたいと思っております。そうした中、国においては日中の貿易摩擦等々による輸出企業の業績悪化に伴って、当初予算で六二・五兆円見込んでいた税収が、二兆円程度下振れするんじゃないかというような推計が出ております。こうした状況を見ると、我が県も同じような状況になるんじゃないかなと推察されるわけでございますが、今年度の県税の収入の見通しについて、下振れの可能性があるのかどうか、お伺いさせていただきたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 我が県の県税収入の見通しでございます。今年度の県税収入は、当初予算二千九百十億円を計上しているところでございますが、現時点では税目ごとに増減を見込んでおりますものの、県税収入全体では堅調と見込んでおりまして、当初予算額とほぼ同水準の収入額を現時点では見込んでいるところでございます。なお、御指摘のありました景気変動の影響を受けます法人関係の税収といたしまして、法人事業税でございますけれども、外形標準課税が導入されているということもございまして、国税の動向と比較すれば、そこまで大きな影響を受けるものではないと考えているところでございます。仮に今後、県税収入が大きく下振れしたという場合におきましては、減収補填債を発行するということもございますけれども、後年度の財政負担を軽減する観点から、まずは可能な限りこうした地方債の発行を抑制し、歳出予算執行の節減等により税収減を補えるように、取り組んでまいりたいと考えてございます。
 それからちょっとさかのぼりまして、庄田委員から頑張るようにと言われた復興交付金の一括配分の件ですけれども、これは市町村分で分析をしますと、全体で先ほど七九%というところで申し上げましたけれども、これは活用の大きい団体とかなり低調な団体とがありまして、分析しますとこれは使い勝手といいますか、非常に面的整備に伴う一括配分で、いろんな事業の活用ができたところと、なかなかそうした事業がない、公営住宅関係の経費についてということで、なかなか当てはまる事業がないというところについては、二〇%台とか四〇%台という団体もありまして、ここは全部一〇〇%と言われましたものですから、お約束は難しいかなと思ったところがあるんですが、各団体の状況に応じて、取り組みを進めてまいりたいと思っております。

◆庄田圭佑委員 何とか支援していただいて、できるだけ消化を、消化っていうのは適切な言葉かどうかってちょっとありますけれども、対応していただきたいと思っております。他県でもかなりうまく効果促進事業を使っている自治体があるわけでございますので、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 税収の下振れの話は、今のところ堅調だということで、問題ないというようなお話でございました。もし下振れがあれば、歳出抑制というお話もありました。万が一であれば、財政調整関係基金の中の県債管理基金の一般分は、しばらく突っ込んでいなかったわけでございますけれども、これの取り崩しももしかしたら今後の台風被害状況の全容が見えてくれば、必要があればそういう取り崩しもやむなしという時期も、もしかしたら来るかもしれないと、私自身思っております。今、非常にこの世の中の景気動向というのが、余りよろしくない方向に進んでいるというような報道もありますので、なお一層財政運営を慎重にしていただきたいということを要望させていただきます。
 予定時間を超過してしまいましたけれども、次の台風十九号対策に移っていきたいと思っております。
 本県の台風十九号の被害、大体千五百億円ぐらいということで今出ているわけでございますけれども、しかしながら、この台風被害の全容の把握というのを、まだしきれてないというのが実態だろうと認識しております。今後の被害状況の全容の把握の見通しについて、まずお伺いしたいと思います。

◎江口哲郎総務部長 台風被害でございます。今回の台風災害によります被害は、十二月六日現在で、人的被害は死者十九名、行方不明者二名でございます。また住家被害につきましては、全壊二百八十八棟、半壊二千八百三十六棟、床上床下浸水合わせまして、一万四千五百七十六棟などとなっているところでございます。なお、住家被害でございますけれども、今ほどの報告ベースのほかに、罹災証明書の交付申請が行われておりまして、これに対する交付率が、今県全体で約九割と聞いております。したがいまして、被害が大きかった市町を中心に、現在も建物内部の立ち入りによります第二次調査なども行われているわけでございまして、全容の把握には、もうしばらく時間を要するものと考えております。
 それから既に御報告申し上げていますように、施設関係の被害額は、公共土木、農地等とあわせて一千四百七十七億円という規模で把握しております。これにつきましてはだいぶ固まってきているというふうに考えてございますけれども、なお現地などの詳細調査を継続しております。特に林間部などでございます。被害が県内かなり広範囲でございますので、こちらの数字についても確定ということには、もう少し時間がかかると考えております。

◆庄田圭佑委員 もう少し時間がかかるということでございました。これはマンパワーの問題もあろうと思いますので、本当は理想なのは、いつぐらいまでに全体の被害の全容がつかめるというのを明示していただくと、県民の皆様に対しても、非常に安心感にもつながっていくんだろうと思っております。急いでやります、頑張ります、これは当然当たり前のことですし、お願いしたいことであるんですが、一体いつまでにどういったことが完了するんだという見通しを示していただけるだけでも、被災者の皆様に対しての温かい支援につながっていくんだろうと私は思っておりますので、ぜひ一日も早い全容把握に努めていただきたい、その上でいつまでに把握できるんだというスケジュール感もお示しいただければ、なおありがたいなと思っております。これは要望にさせていただきたいと思いますが、今回の台風十九号の被害で、今いろんなところで、東日本大震災のただでさえマンパワー不足だと言われている中において、こういった自然災害が来てしまったということでございます。東日本大震災の復興計画に与える影響について、どう捉えているのかお伺いしたいと思います。

◎佐藤夏人農政部長 農業関係をお答えさせていただきますけれども、東日本大震災の復旧事業のうち、農地や農業用施設の整備については、主要な工事はほぼ完了し、農地の引き渡しも済んでおります。現在は補完工事などが主体となっており、今回の台風第十九号の災害復旧対応の影響により、事業完了がおくれるようなことはないと考えております。

◎門脇雅之土木部長 公共土木施設に関する東日本大震災からの復旧・復興事業でございますけども、現在、二百六十七件を実施しております。そのうち今回の台風十九号によりまして、二十三件の事業箇所でのり崩れ、盛り土の流出などが発生しております。現在被害が生じた事業箇所につきまして、国と手戻り工事に関する復旧工法や事業費、完了予定時期などにつきまして、協議を行っているところでございます。引き続き、事業進行管理の徹底を図り、復興期間内の事業完了に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

◆庄田圭佑委員 農政部のほうでは特に影響がないと、土木部のほうからは期間内に終わるように頑張っていきたいという答弁でございました。そういった形で進めていただきたいと思っているところでございます。
 今回、台風の自然災害を受けたわけでございまして、災害復旧というのは最優先すべき事項であるということは、誰しも共通の見解だと思っているところでございますが、しかし、台風とか地震などの自然災害によってそもそも県が予定していた事業、先ほど農政の話がありましたけれども、例えば農業競争力強化農地整備事業、圃場整備事業、基盤整備事業とかそういったものですけれども、こういった各種の事業が停滞しちゃいけないんだろうと思っておりますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

◎佐藤夏人農政部長 災害復旧については、御指摘のとおり早期の営農再開に向けて、最優先で取り組むこととしておりますけれども、御指摘のありました農地整備事業など、通常の事業についても、その進捗に影響が出ないよう、計画的な推進をしていくこととしております。

◆庄田圭佑委員 計画的に進めていただきたいと思います。宮城県も今は農業に積極的に取り組んでいるというあらわれとして、農政部と水産林政部に分かれたということでございますので、進めていただきたいと思っております。
 今回の台風被害で、河川でも百八十二河川、二百三十億円を超える被害があったわけでございますが、今回の河川等災害復旧費として、二百六十億円程度が補正計上されているということでございます。事業概要と現状復旧での予算措置なのか、改良復旧を見越しての予算措置なのか、お伺いしたいと思います。

◎門脇雅之土木部長 河川等災害復旧事業費の内訳でございますけれども、土木部が所管いたします河川、道路、橋梁などの災害復旧に要する補助災害復旧費といたしまして二百六億円、県単独災害復旧費といたしまして二億円、災害調査費といたしまして四十二億七千五百万円、直轄国道等の災害復旧に係る地方負担金といたしまして六億七千五百万円となってございます。本予算は、主に原形復旧に要する箇所の事業費を計上しておりまして、改良普及費につきましては、現在、被災事象の検証を行っているところでございます。その結果を踏まえまして対策工法を検討し、対策が必要な箇所について、国と協議の上、改めて予算計上することとしております。

◆庄田圭佑委員 ありがとうございます。今回の一般質問の中でも改良復旧のお話が大分出ておりますので、改良復旧できるところはしていただいて、この災害に強い県土づくりというものに注力していただきたいと思います。
 今回この河川等災害復旧費のほかにも、河川管理費ということで二十一億円が補正計上されております。これも事業概要についてお伺いしたいと思います。

◎門脇雅之土木部長 河川管理費二十一億円でございますけども、今回の台風第十九号により生じました各河川の被災箇所におきまして、国の災害復旧事業で対応できない応急対応あるいは修繕等に要する費用でございます。主なものといたしましては、河道内に堆積いたしました土砂の撤去、流木、がれきの撤去あるいは軽微な修繕に加えまして、堤防の点検に要する費用などでございます。

◆庄田圭佑委員 河川の堆積土砂の撤去というお話がありました。今回、我々自民会派でも県南と県北に分かれて、視察をさせていただきました。河川の現場を見させていただきますと、堆積土砂というのがかなりあるのかなという印象でございました。今回この堆積土砂が二十一億円の中に入っております。そして公共事業等推進費の十六億円のうち、河川事業費ということで、六億円の債務負担行為が設定されているということでございます。この中には堆積土砂の撤去予算ということで伺っておりますが、先ほどの二十一億円と合わせて、どの程度堆積土砂を撤去する予定なのか、お伺いしたいと思います。

◎門脇雅之土木部長 今回計上しております債務負担行為六億円でございますけれども、来年の出水期前までに河川の流下能力確保を図るための堆積土砂を撤去するものでございます。仙台市の青葉区斉勝川や加美町の田川など十八河川におきまして、約六万三千立方メートルの土砂を撤去するものでございます。

◆庄田圭佑委員 それも進めていただきたいわけでございますが、三十年前と比べて、一時間に五十ミリ以上の豪雨が降る回数というのが、一・四倍程度ふえているというような統計データもあるわけでございまして、こうした堆積土砂の撤去、先ほども財政が非常に厳しいというお話をさせていただきましたけれども、そうした上で基金の運用をしていただいて、できるだけ果実を取っていただくというお話をさせていただきました。そしてできるだけ果実を最大限にしていただいて、こういう我々の安全で安心な環境をつくっていくために、河川の堆積土砂の撤去の予算をしっかりと確保していただきたいと思っております。これは要望にさせていただきたいと思います。
 今回の補正予算の中に、河川調査費ということで二億円計上されております。この事業は多分、今後の河川整備を進めていく上での基礎調査の予算なのかなと思っております。今、宮城県ではいろんな河川整備計画があるわけでございまして、今回の台風被害を受けて、整備計画を見直すための予算なのかなと思っておりますが、事業概要と想定しているスケジュールについて、お聞かせいただきたいと思います。

◎門脇雅之土木部長 今回予算計上しております河川調査費でございますが、県内の広い範囲で観測史上最大の雨量を記録いたしました、今回の台風十九号でございますけれども、これの被災事象をまず検証するのとあわせて、近年の雨量統計の再整理なども行い、豪雨を踏まえた治水安全度の再検証を行うものでございます。我が県における今後の治水対策のあり方について、検討してまいりたいと考えてございます。検討に当たりましては、河川、防災、気象などの専門家から、技術的助言をいただきながら進めてまいります。
 なお、国では、全国的に豪雨災害が頻発化、激甚化している中で、近年の気象変動を踏まえた水災害対策の検討に着手しております。令和二年度、来年度の夏ごろを目途に取りまとめる予定と伺っております。我が県におきましても、その動向を注視し、国におくれることなく、十分な調整を図りながら検討を進めてまいります。また、この調査の結果を踏まえまして、必要に応じて河川整備基本方針あるいは河川整備計画の見直しを行っていくことになるものと考えてございます。

◆庄田圭佑委員 ありがとうございます。この調査を受けて、河川整備基本方針そして河川整備計画を見直していく可能性もあるということでございました。
 今回の台風十九号でも私の地元にある七北田川は、四年前の豪雨災害と同じような場所を被災しているというわけでございます。昨日の菊地恵一議員の一般質問にもありましたとおり、同じ箇所が被災をしているということで、河川の整備計画を見直ししていくということは、多分必要なことなんだろうと思っておりますので、できるだけ早期にこの事業を進めて、見直しを進めていただきたいと思っておるところでございます。この七北田川は、四年前と同じ箇所が被災を受けて、まさにそのあと水位周知河川になって今度上流域の河川整備基本方針が示されて、今年度中に河川整備計画が示される予定になっておったわけでございますけれども、今回の台風被害を受けて、策定時期の見直しというのがあるのかどうか、お伺いさせていただきたいと思います。現在の策定の進捗状況について、あわせてお示しをいただきたいと思います。

◎門脇雅之土木部長 七北田川でございますけれども、平成二十七年の関東・東北豪雨におきまして、上流部で甚大な被害が発生したということで、赤生津大橋から冠橋までの約十四キロメートルの整備計画を今策定中でございます。これまで七北田川水系河川整備学識懇談会を設置いたしまして、河川整備に必要となる改修の規模、河川幅、断面などを検討してきたところでございまして、ことし十月には現地の調査を行い、年内には公聴会、パブリックコメントを実施して、年度内に公表する予定としておりました。しかしながら、今回台風第十九号が発生をいたしまして、四年前と同じ箇所で再度浸水被害が発生しました。このためこれまでの検討に加えて、今回の台風の降雨特性あるいは被災状況などを再検証いたしまして、河川整備計画に反映させる必要があると考えてございます。被災事象の検証、その対応案の策定につきましては、ある程度の時間を要することも考えられますが、県といたしましては、現時点においては従来どおり年度内の公表を目指し取り組んでまいりたいと考えてございます。

◆庄田圭佑委員 ありがとうございます。ずれ込んだらまた少し地元の皆様方からいつになったらどうなんだと、いつまでやってるんだということでいろいろとお叱りをいただくところであるわけでございますが、年度内ということでいただきましたので、非常に心強く思っているところでございます。となれば事業着手時期についても、もともと令和三年度中の事業着手ということで予定をしていたとい思いますけれども、それも変更がないという理解でよろしいでしょうか。

◎門脇雅之土木部長 お話のとおり事業着手時期につきましては、予定どおり、令和二年度内に詳細設計等を行いまして、令和三年度の着手を目指して事業を進めてまいります。

◆庄田圭佑委員 スケジュールどおり進めていただきたいと思っているところでございます。
 今回、河川の被害のみならず、土砂災害も県内十六の市町で約二百三十カ所あったということでございます。災害関連緊急砂防費ということで四十億円計上されておりますが、これの概要と想定している補修の対象箇所数をお聞かせいただきたいと思います。

◎門脇雅之土木部長 災害関連緊急砂防費でございますが、台風第十九号で崩落いたしました土砂や流木が流出をいたしまして、二次災害を防止することを目的にいたしまして、緊急的に砂防堰堤堤や護岸等を設置する費用でございます。今回大規模な土砂災害が発生いたしました丸森町の阿武隈川左岸におきまして、国道三百四十九号や人家への影響が懸念される十六カ所で実施するものでございます。予算額は三十一億五千万円を計上してございます。また、阿武隈川水系内川流域におきまして、国が実施いたします直轄砂防事業の負担金といたしまして、九億円を計上しているところでございます。

◆庄田圭佑委員 ありがとうございます。丸森はほんとに被害がひどかったということで、私も同期議員とともに、現場で泥かきのボランティアをしてまいりました。私が伺ったところは内水で被害に遭われたところでございまして、河川のみならず、土砂災害の対策も両方やっていかないといけないなと思っているところでございます。
 国土交通省の調査によれば、今回の土砂災害の箇所は、土砂災害の警戒区域外でも全体の三割ぐらいの箇所の中で起こっているというお話でございました。将来的な指定基準の見直しも含めて検討するということでございますが、現段階において、土砂災害警戒区域外の砂防対策についての県の考えをお聞かせいただきたいと思います。

◎門脇雅之土木部長 お話がありましたとおり、今回の台風第十九号によりまして、土砂災害警戒区域以外でも土砂災害が多く発生していることを踏まえ、国におきましては、土砂災害警戒区域指定の見直しあるいは検証に取り組むとしております。我が県におきましては、二百九十四カ所で土砂災害が発生いたしまして、そのうち現時点で百三十五カ所が土砂災害警戒区域外で発生したことを確認しております。このため県といたしましては、国による検証等の動向を注視し、指定基準の見直し等があった場合には、速やかに対応できるように被災事象の確認などの調査を行うとともに、現在進めております土砂災害警戒区域指定につきましても、更に加速化してまいりたいと考えてございます。

◆庄田圭佑委員 百三十五カ所の警戒区域外の土砂災害があったということで、これは非常に大きな問題なのかなと認識をしているところでございます。部長から土砂災害警戒区域の指定率をもっと高めていく、できるだけ早目に高めていくという答弁でありました。ちょうど三年前に予算総括質疑に私が立ちましたときに、当時、遠藤土木部長だったわけでございますけれども、土砂災害警戒区域の指定率は、全国で当時下から三番目、四十五番目というような答弁をいただいたわけでございました。現在の状況はどうなっているのか関連でお伺いしたいと思います。

◎門脇雅之土木部長 県では土砂災害危険箇所八千四百八十二カ所に対しまして、ことし十月末現在、六千三百十カ所を区域指定してございます。指定率は七四・四%でございます。指定率の全国順位につきましては、ことし十月末現在で四十一位となってございます。土砂災害警戒区域等の指定につきましては、令和四年度の指定完了を目指し進めてまいりましたが、更に前倒しを図り、令和三年度までには何とか指定完了できるよう全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。

◆庄田圭佑委員 国も指定基準を見直す方針だという話が出ているわけでございまして、これが見直しをされると、その八千四百カ所余りの箇所がまたふえるということになります。令和三年度中に終わらせたいというお話でございましたので、しっかりとスケジュールを守っていただいて、指定いただきたいと思っております。
 最後の質問に移りたいと思います。
 今回、観光支援費ということで二億円の補正予算を計上されているわけでございます。これは割引で宿泊施設に泊まれるというようなものだと認識しておりますけれども、これの概要と実施時期、見通しについてお伺いしたいと思います。

◎村井嘉浩知事 今回の台風被害によりまして、被災地域で観光事業の落ち込みが見られましたことから、被災地域への観光需要を喚起するために、国内外旅行者を対象とした旅行、宿泊料金の割引などを支援いたします、いわゆる「ふっこう割」が国において創設されました。この「ふっこう割」という制度は、台風被害が大きかった十四の都県を対象として、国が独自に調査した宿泊施設の十月末までのキャンセル数に基づき、事業費が交付されるという予定で、一人一泊当たり最大五千円割引を行うことができる制度となっております。最大五千円ということであります。県では、十一月以降も台風被害に伴う影響が続いていることに加えまして、観光需要が落ち込む冬の閑散期に、より多くの観光客に宮城を訪れていただきたいということから、国から交付される約一億六千万円に県費約四千万円を加えまして、二億円を総事業費といたしました。そのほか制度の詳細な内容につきましては、現在調整中でありますが、本議会終了後、予算が認められましたならば、できるだけ速やかに実施したいと考えております。この制度によって観光需要が回復し、県内の復興施設や観光施設が大勢の観光客でにぎわうよう、有効に制度を活用してまいりたいと考えております。これは全国的に見ると、宮城県の一億六千万円は少なかったんです。なぜ少ないのかなと思いましたら、県を通さずに国が独自に宿泊業者にキャンセル率をいろいろとったらしいです。それで案分したということで、県を通さないままデータが国のほうに行って、その割で行ったら宮城県の場合は、一億六千万円という割り振りになりました。財政は非常に厳しいんですけれども、四千万円頑張って上乗せをして、二億円でこの事業を実施するということでございます。頑張ってまいりたいと思います。
 以上でございます。